意外と飽きない

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『シリアルキラー展Ⅱ(前期)』に行ってきた

こんにちは。台所のコバエが全然撲滅できねえ。泥水です。

 

突然ですが『シリアルキラー展』というものが今現在、新橋・銀座駅付近のヴァニラ画廊という場所で行われているのをみなさんはご存知でしょうか。

 

www.vanilla-gallery.com

 

シリアルキラー。単純に翻訳するなら「連続殺人犯」ですかね。

ですが、おそらく殺害した人数が多ければ良いというものではありません

 

他人には理解できないような猟奇的な方法で殺害する。独特の執着心を持ち、特定の特徴を持った人間のみを標的に殺害する。非常に優しい人物として知られていたにも関わらず、何十人もの人を殺害し、何事もないかのように暮らし続ける

 

つまり、世の中における異端の存在

それがシリアルキラーと呼ばれる人々なのでしょう。

 

私はもともと『マリリン・マンソン』というバンド(メンバー全員がシリアルキラーと女優の名前を混ぜた名前で活動している)の曲が好きなのと、スプラッタ映画、海外ホラー映画が好きなのもあって、シリアルキラーと呼ばれる人々についての知識を少しだけ持っていました。

 

昔、自分で調べたなかで、最も強烈な印象として残ったのは、「ジョン・ウェイン・ゲイシー」でした。

資産家の名士で、ボランティア活動にも積極的に参加し、周囲から”良い人”という評判を得ていた彼は、裏では少年に性的暴行を加えて殺すことを繰り返し、33人もの命を奪ったことで、世界を震撼させました。

 

彼は地元での慈善活動の一環として、ピエロに扮することが多く、それゆえに「キラー・クラウン(殺人ピエロ)」というあだ名がついています。彼自身はピエロに扮する際、「ポゴ」と名乗っていたようです。

 

彼の描くピエロの絵(自画像)は、非常に鮮やかな色使い、光が入っているのに虚ろな目、同じようなパターンの繰り返し・・・どことなく、不気味さが感じられます。

 

このたび行われているシリアルキラー展Ⅱ(前期)においても、ポスターにでかでかと彼の絵が使われています。

下はヴァニラ画廊の入り口で撮った写真ですが、もう、すでにヤバイ感じ

なんかやたら不安になります。ピエロ恐怖症でもないのに。

 

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まあこんな感じのポスターに見守られつつ、地下へ降り、展示をじっくり見てきました。

 

生でジョン・ウェイン・ゲイシー氏の絵を見た感想としては、「ただただ怖い」

 

「人を殺した人間が描いたから」という先入観は、あるかもしれません。

ですがそれ以前に、まず、何か、とにかく不安になる絵でした。

 

絵そのもののクオリティは高くも低くもない印象です。ただ、画家として活動していたわけではないにしていは、一定のクオリティが感じられ、うまい部類だと思います

 

ですが、それがより一層不気味さを煽っている感じがしました

 

私は、グロテスクな絵や不気味な絵を好んで探すことがあります。

「見ると死ぬ絵」として有名なベクシンスキーの作品などは非常に好みです。夜中にはあまり見たくありませんが。

 

ですが、そういった「不気味な絵」の何百倍も、「普通に描かれたピエロの自画像」は私に恐怖心を抱かせました

 

彼、ジョン・ウェイン・ゲイシー氏は、理性的に絵を描けている。

自画像として、非常によくできている。

これを描いた人間は、衝動でグチャグチャにものを描いたわけじゃない。

きちんと理性を持って、筆をとって、絵を描いた。

33人という途方もない人数を残酷な方法で殺しながらも、この絵を描いたんだ。

 

そう認識した途端、もうそれ以上、その絵を見ていられませんでした。

あんなに厨二心に惹かれていた、彼の絵をナマで見るという感動も、一応きちんとありましたが、それでもやっぱり、「怖い」という気持ちが勝りました。

 

 

他の展示物に関しては、まあ色々です。ほんとに色々。

本人の髪の毛や爪であったり、歯のレントゲン写真だったり、殺害現場の瓦礫の一部だったり。どういうルートでこんなものが出回るのかしら、という感じの不思議な展示物がたくさんありました。

 

また、本人の書いた手紙なども展示されていました。

やたらにかわいい丸文字の上にポップな絵柄で赤ん坊を絞め殺している絵が描かれていたり(人肉バーガーを作っていた人の手紙でした)、ビックリマークの下にニコニコマークがついていたり、個性がいい意味でも悪い意味でも感じられます。

 

当たり前なのですが、「文字とか顔写真だけ見ると、みんなと同じ、普通の人間なんだなあ」と思いました。

 

殺人鬼を礼賛、崇拝する気持ちはそこまでありませんが、彼らの独特の美学や、幼少期の経験による性格の変化、「どうやってシリアルキラーになるに至ったか」の経緯は非常に興味深いです。

 

そういう意味で、今回の展示は、彼らの心の一部を垣間見ることができたような気がして、行ってよかったなと思います。

 

後期も行けたら行きたいところです。なんてったってマンソンとラミレズがいるからな!マリリン・マンソンファン的にはそこ推さないとな!

 

 

ちなみにマリリン・マンソンに、殺人ピエロのジョン・ウェイン・ゲイシーの名前を拝借しているメンバーはいます(正確には”いました”)。マドンナ・ウェイン・ゲイシー、あだ名はもちろんポゴです。

 

www.youtube.com

 

これの2分あたりから出てくるメンバーたちの中で、犬を撫でてゆらゆらしている彼がポゴです。かわいい。

 

以上、シリアルキラー展Ⅱ前期の感想でした。